特集 口から食べたい—経口摂取への援助
長期経管栄養患者の嚥下機能回復への働きかけ—脳梗塞患者の経口摂取
桂下 恵子
1
,
下田 天授美
1
1長崎労災病院
pp.641-644
発行日 1986年6月1日
Published Date 1986/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921431
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はじめに
脳血管障害は,成人病の主な疾患の1つで,外科的治療の進歩によって,死亡率は減少してきているが,後遺症のために経管栄養で生命を維持している患者は少なくない.
今回,私たちは脳梗塞のために,嚥下障害を来して,経管栄養を2か月間続けている患者を看護する機会を得て,何とか経口摂取に導きたいと思つた.そこで,アメリカの医師学会で発表された,ヘンリー・ハイムリッチの文献(本号p662-666参照)を元に,片麻痺患者に対して筋肉を訓練するという原則と同じように,嚥下の過程を再学習させれば,患者は嚥下機能を再獲得することができるという仮説を立てた.
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