特集1 “食べる行為”への援助
嚥下障害患者の固形物摂取への働きかけ—より人間らしい食生活を願って
武田 洋子
1
1国立呉病院内科病棟
pp.402-405
発行日 1981年4月1日
Published Date 1981/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922760
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はじめに
当事例の患者は,たび重なる脳血栓の再発のために,生きることへの意欲低下をきたしており,それによって日常生活への関心を失っていたように見えた.球麻痺による嚥下障害のため流動食しか摂取できず,全身衰弱が顕著にみられた.ただ寝たきりで,すべてのことに対して意欲もなく,流動食しか摂取できないこの患者が,少しでも生きること,すなわち食べることに意欲を示してくれることを願って,私たちは接触を行ってきたので,その経過を報告する.
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