特集 老人脳卒中患者の社会復帰に向けて
廃用性萎縮を来した片麻痺患者の自力坐位,坐位移動動作の確立を目指して
久保 洋子
1
1国立舞鶴病院
pp.536-541
発行日 1986年5月1日
Published Date 1986/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921407
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
脳卒中発作後の早期リハビリテーション開始の必要性は,最近では常識的なことであるといえよう.しかし適切な時期に適切なリハビリテーションが受けられず二次障害を来し,ベッド上生活を余儀なくされる患者もまだ多いのが現状ではないだろうか.
今回,私たちは脳卒中発作後4年を経過,麻痺側のみならず健側の廃用性萎縮を来し,いまだに寝たきり状態から脱しきれなかった患者に,段階を追った訓練を進め,退院後の家庭生活を考慮した日常生活動作指導訓練を試み,自力起坐,起坐位による移動動作等を可能にすることができた.一方,家族に対しても協力を求め,受け入れ態勢を整えてもらい,家庭復帰に至った事例を体験したので,その経過を報告する.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.