ちょっと一言 総婦長のつぶやき
あるがままに
斎藤 カツ子
1
1東北大学医学部付属病院鳴子分院
pp.1408
発行日 1985年12月1日
Published Date 1985/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921273
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東北のこけしで有名な鳴子温泉街にあるリハビリテーションを目的とした,ベッド数90床の病院が,この4月から私が勤め始めた病院です.それまで大きな病院で,上司に向かって占いたい放題言わせてもらっていたースタッフの私が,今度はまるで逆の立場に置かれたわけですから,私はともかく,スタッフのほうが戸惑っているのではないかと思います。立場上ぶつかり合うとは言っても,それはお互いの気心がある程度通じ合っているからこそできることで,よその病院から米たほっと川の型、が相手では‘けんか’のルールづくりから始めなければなりません.
私の方はと言えば,患者さんとの対応場面で‘ねばならぬ’倫をやめて,その人なりにという考え方が,援助の方法も含めてようやく見え始めてきた時期に現場を離れることになってしまいました.ところが,部長業務の中には‘ねばならぬ’を前面に出さないとダメな場合が多く,思考回路のチャンネル切り換えが大変です。でも今は,対象が患者さんから病院の看護部になったのだと考えられるようになりました.これまで生きてきた生き物として病院の流れをとらえることから始め,まるで1人の人間に対応するように私の今までの経験を応用しながら,私なりにやっていこうそう思った時から肩の力が抜けて気分がずっと楽になりました.病院を入間にたとえると看護部は手足になりましょうか,四肢麻痺を起こさぬよう他部門と連携してやっていこうと思います.
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