連載 りれー随筆・161
あるがままに生きよう
奥 善美
1
1吉江レディスクリニック
pp.166-167
発行日 1998年2月25日
Published Date 1998/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901884
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初めての出産
私は12年前に第1子を出産しました。私の出産は破水から始まり,病院に着くとまず誘発分娩の説明がありました。子宮口は1指しか開大していませんでした。「分娩は翌朝でしょう」とのこと。14時過ぎに点滴が開始されると同時に,2〜3分間隔の陣痛が始まり,その痛みは想像をはるかに越えたものでした。その経過の早さと痛みに戸惑いながらも,ラマーズ法の呼吸法を練習していた私は,必死に今の状態を把握しようと努力しました。しかし,やってもやっても,自分自身の状態が,全くつかめません。次々とやってくる陣痛の波に戸惑い,いろいろなパターンの呼吸法を繰り返してみても一向に楽にならず,もう頭はパニック状態でした。
“とにかく落ちつかなくては”と,深呼吸(腹式呼吸)を繰り返すうちに,徐々に自分自身を取り戻すことができました。そのまま腹式呼吸を繰り返していると,自然と努責感が出てきて,点滴開始より2時間足らずの,自分でも信じられない超スピードの分娩となりました。
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