特集 日常ケアを見直そう[総集編]
家族への援助—家族を看る柔軟な目
関 文子
1
1順天堂大学医学部付属浦安病院5B(内科)病棟
pp.1371-1375
発行日 1985年12月1日
Published Date 1985/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921266
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ある先輩ナースが次のようなことを話していた.‘中国残留孤児たちが来日して,その様子が毎日のように報道されているけれど,肉親とめぐり会えた人,会えなかった人のそれぞれの姿が報道されるたびに,あらためて血のつながりとは何か,家族とは何か,と考えさせられる’と.
またある知人より,次のような質問を受けた.妻の父親が80歳で喘息で入院,そして更にその妻が70歳で急性骨髄性白血病で入院と,病気の人間をかかえる家族となった.その時に,妻の両親の家族や,地域の親しかった人たちが次々と病院へ面会に来た.僕にとっては初めて会う人たちで,付き合いのない人たちだが,その時に家族って何だろうと考えてわからなくなった.病院では,ナースはこういう人間たちをどうとらえているのか,家族というものをどういうふうに考えているのか,という内容だった.
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