癌患者の手記—私は前を向いて歩く たとえ声は奪われても・10
病室での人間模様
吉見 之男
pp.1186-1188
発行日 1985年10月1日
Published Date 1985/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921223
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ひたすら耐え,恬澹(てんたん)としているYさん
コールデンウィークともなると患者も外泊が多くなるので,病院は静かである.今日しばらくぶりで外泊するYさんは,当病棟での最長老.何しろ去年の7月から入院中だが,それまでに出たり入ったりを5回,大きな手術も今までに5回,延べ入院年数も3年を数える.
本当に長い闘病生活,何回もの大手術に耐えて,いつ治るとも分からぬ病に負けないでがんばっている.全く頭が下がる思いである.
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