学生の広場
昔語りによる治療的試み—民話による痴呆老人への語りかけ
岩崎 和枝
1
,
小笠原 聡子
1
,
上村 百合
1
,
半田 小百合
1
,
藤原 広花
1
,
片岡 万里
1
1高知中央高等学校専攻科
pp.1156-1160
発行日 1985年10月1日
Published Date 1985/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921215
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はじめに
我が国では老年人口(65歳以上)の急速な増加が大きな社会問題となっている.1950年には全人口に対する老年人口の比率は4.9%1)だったが,1983年には9.8%になっている.これはスウェーデンの16.6%をはじめとする欧米先進諸国と比較して,かなり低いものの,問題は老年人口の持続的な上昇速度と年少人口(14歳以下)の減少という点である.このために将来生産人口に対する従属人口の急速な増加を来し,人口構造に歪みを生じて,社会の各方面に様々な影響を与えることが予測されており,早急な対策を講じる必要に迫られている.
特に高知県は,老年人口が14%2)と全国水準をはるかに上回り,老人問題が深刻になってきている.そのため,他県に先がけ,老人が生きがいのある豊かな老後の生活を送れるようにと,種々の事業を開始してきた.まず1967年には寝たきり老人の世話をする老人家庭奉仕員,1971年には独り暮らしの老人に介護人を派遣するなどの事業を始めている.
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