NURSES' VIEW
看護婦に期待することをやめました—父の病を通して
藤井 皆子
1
1新生会第一病院
pp.745
発行日 1985年7月1日
Published Date 1985/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921126
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瀬戸内海が青く染まるころ,島の段々畑は,除虫菊の白い花で埋まります.その中を体の不自由な父と母が散歩を楽しむ姿は,私に看護を続ける勇気を与えてくれます.父は頑固な職人気質の人で,70歳になっても‘母さんを養わなきゃいかん’と仕立屋の仕事を続けていました.
2年前,父が脳梗塞で入院した2日後,ひどい褥創ができ,妹は痛々しいと泣きながら電話で状態を知らせてきました.私は,父がどのような看護を受けているのか不安と口惜しさで,帰らねばと思い,父の状態を尋ねました.しかし,自殺企図があった患者さんがいる病棟を離れ難く,また突然の休暇も取にくい状態でした.
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