特別寄稿
末期上顎癌患者とのかかわりから臨床医として考えさせられたこと
形浦 昭克
1
1札幌医科大学・耳鼻咽喉科学教室
pp.664-669
発行日 1985年6月1日
Published Date 1985/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921109
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耳鼻咽喉科領域の疾患は,広く発声や呼吸,更には腋下の障害を来し,また直接表面に現われる機能と結びついているため精神的苦痛は測り知れないものがある.近年,頭頸部癌の外科的治療は,その再建外科の導入により著しい進歩が見られるが,その一方,再発を繰り返す終末期患者のケアのあり方は真剣に取り組まれるべき課題である.
殊に頭頸部癌のターミナルケアは,全身状態はそれほど侵襲されず,意識も比較的明瞭な中で,頭頸部領域の病巣へのケアをしなければならないなど,種々の問題がある.この点で,他の臓器悪性腫瘍とは異なった特徴を有している.
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