特集 疾病としてのアルコール依存症
患者の持つ力に期待する—集団生活に適応困難であったアルコール依存症患者への働きかけ
泉 トモ子
1
,
佐々木 久美子
1
,
小野 勝三
1
,
数 きくい
1
,
深井 文子
1
,
仲間 君子
1
1神奈川県立せりがや園
pp.518-523
発行日 1985年5月1日
Published Date 1985/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921077
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はじめに
アルコール依存症の治療にとって最も重要なのは,治療的環境,すなわち患者相互の影響力を重視した治療集団としての効果である.そして患者はその集団の中で自己のアルコール問題や自己中心的な考え方に気づき,仲間意識を高め合いながら変容していくと言っても過言ではない.この治療的雰囲気を維持するための側面的援助も看護の大きな役割である.
しかし,どんなに治療集団が有益なものであっても,すべての患者がスムーズに治療集団に適応していけるとは限らず,適応し切れずに途中で退院に至るケースが多々ある.
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