特集 疾病としてのアルコール依存症
患者を支え,患者の持っている力を引き出す
森田 和子
1
,
大江 まさ子
1
,
永友 信子
2
,
加藤 フミ子
3
1国立療養所久里浜病院アルコール病棟東7
2国立療養所久里浜病院アルコール病棟東6
3国立療養所久里浜病院
pp.525-529
発行日 1985年5月1日
Published Date 1985/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921078
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はじめに
アルコール依存症患者が入院する時の直接のきっかけは,個々人により異なっている.身体障害や精神症状が出現した時は,入院を決意しやすいが,社会的,家庭的に不適応状態となり,入院させなければならなくなった時などは,患者は入院の理由を納得できないことが多い.
例えば,会社には出勤しても,働かない,仕事ができないなどの理由で,上司や同僚の勧めで受診せざるを得ない時や,酒でさんざん家族を困らせ,家族が困り果てて病院に連れて来た時などは,患者は問題を否認することが多い.しかし,建て前上しかたなく入院を決意せざるを得ない.
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