痛みの臨床・12
薬物療法[Ⅱ]—鎮痛薬投与法の原則
中島 美知子
1,2
1ニューホープ・ペインセンター
2オリブ山病院
pp.449-452
発行日 1985年4月1日
Published Date 1985/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921059
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
鎮痛薬投与の典型的失敗例
消燈前の夜9時,ある壮年の癌患者が痛み止めを打ってほしいと言ってナースステーションに来た.そこで応対した看護婦が‘いま痛みがあるのですか’と聞くと,‘いえ,今は痛みは強くないのですが,今夜もまた痛くなりそうですから’と患者は訴えた.
ところがその看護婦は‘痛み止めは“予防注射”ではありません.痛くもないのに打つことなんかできませんよ.痛み止めは有害ですから’ときつく断ったのである.患者は肩を落としてすごすごと帰っていった.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.