特集 呆けの老人と家族が求める地域看護—呆け老人をかかえる家族の会・千葉支部の活動を通して
体験レポート/妻を介護する夫の実践的介護論
本木 一輝
1
1呆け老人をかかえる家族の会
pp.1124-1126
発行日 1984年10月1日
Published Date 1984/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920896
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気づいた時には病院にもさじを投げられて……
昨年,千葉県の福祉課で行いました‘ぼけ老人実態調査’というのがありますが,この調査によりますと,夫が妻を介護するという例は極めて少ないようです.私はそのほんのわずかなうちの1人ということになります.加えますのに,私は82歳という高齢です.最近心身の衰えを非常に感ずるようになりました.何か心細いような感が毎日いたします.
私の家は,別棟になっておりますが,同じ敷地内に長男夫婦と孫が一緒に住んでおります.ただ,夫婦共働きなので朝晩顔を合わせることはまずありません.したがって,平素は1日中私と家内との2人きりの生活を送っています.食事も別,会計も別です.風呂だけは両方で都合してお互いに入り合っています.電話も親子電話で,1本をつなぎかえて使います.そして,両方の家は,インターホンでつないで連絡をとっているという状態です.
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