特集 糖尿病患者の生活ケア
生活ケアの視点からみた糖尿病患者の指導—生活全体へのケアのあり方と看護婦のかかわり
徳野 陽子
1
1聖路加国際病院・公衆衛生看護部
pp.399-404
発行日 1984年4月1日
Published Date 1984/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920744
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はじめに
糖尿病では,患者教育(指導)がその診療の要であることは,すでに常識となっている.‘糖尿病は合併症の病気である’と言われているように,糖尿病それ自体で死ぬよりも,むしろ合併症の悪化が死を招くことの方が多い現在では,糖尿病をいかによくコントロールし,合併症を防止していくかが,治療の最大目標である.
糖尿病では,診断と同時に患者は,主として食生活を中心にその生活習慣の修正を求められる.慢性疾患である以上,そのコントロールは生涯継続するものであり,患者教育においては,個々の病状および生活に則した個別的指導と並び,闘病意欲を持続できるように,患者はもちろんのこと,家族も含めた包括的な働きかけが重要である.
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