人工臓器・1 最先端の技術を探る
人工腎臓
pp.4-7
発行日 1984年1月1日
Published Date 1984/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920660
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人工腎臓の原理
腎臓がおかされて機能不全となり,血液中に,尿素・クレアチニン・尿酸や,そのほかの尿毒症性毒素がたまると,尿毒症になって最終的には死亡する.その治療法としては,現在のところ薬剤では充分な効果がなく,腎臓移植か血液透析によるほかに救命の方法がない.腎臓移植手術は年々増え続けているとはいえ,未だその数は少なく血液透析による治療が主流を占めている.
血液透析とは,腎機能不全患者の血液を体外に導き,それを人工腎臓中に導き,装置の中にある半透膜を隔てて血液と透析液の間で物質の濃度勾配による成分の交換が行われるのを利用するものである.その結果,血中にたまった老廃物を取り除き,水・電解質のバランスの乱れを是正する操作をいう.そして透析によって完全ではないが浄化された血液は再び体内に戻っていく.
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