CHECK IT UP 日常ケアを見直そう・25
注射[3]—注射ケアへの専門的なかかわりとは
千原 延子
,
看護ケア再検討グループ
pp.12-15
発行日 1984年1月1日
Published Date 1984/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920662
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
前回,注射による橈骨神経麻痺の事例を挙げて安全性という視点からの事故のとらえ方,それに看護業務上事故と法的責任についての基本的な考え方を紹介したが,注射事故が起こった時,必ずといってよいほど問題とされてくるのは‘注射は本来看護婦の業務なのかどうか’ということである.特に静脈注射は,皮下注射,筋肉注射よりも重大な結果を招きやすい医療行為であるだけに,しばしば問題にされてきたが,その背後には,看護婦の行う診療補助業務の範囲はどこまでなのかという大きな問題が潜んでいる.この問題のキッカケとなったのは,昭和26年8月2日,国立鯖江病院で起こった静注による死亡事故についての裁判である.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.