CHECK IT UP 日常ケアを見直そう・21
与薬[3]—与薬ケアにおける看護婦の役割
宮沢 君子
,
看護ケア再検討クループ
pp.972-973
発行日 1983年9月1日
Published Date 1983/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919932
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配薬のチェックと服薬の確認は?
日常的な与薬行為の中で具体的に再検討すべきこととしては,まず配薬のチェックと服薬の確認が正確になされているかどうかがあげられる.前回述べたように,与薬のシステムや方法は各病院によって様々である.一般的には配薬時に薬札や薬票を用いてのチェックが行われているが,それらは果たして有効に活用されているだろうか.
例えば内科病棟などでは薬の種類も量も多いが薬札に記入しきれないというのでただ薬品名だけで量の記入が省かれていたり,また処方箋との照合チェックは2人以上のナースの手で2回以上確認されるべきなのに,それがなされていなかったりということはないか.‘めんどうだから’というので,薬のチェック用紙を廃止しようとする動きさえ見られ,それが業務の合理化と錯覚されているような傾向もあると聞く.しかし,薬にまつわる事故のほとんどは配り間違いに起因していることを考えれば,念には念を入れたチェックは,業務の繁雑さや多忙さのなかでも決して怠ってはならない重要な業務である.配薬ミスを避けるための合理的なチェック方法を工夫することは必要であるが,それを手抜きや省略化と混同してはならない.
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