CHECK IT UP 日常ケアを見直そう・20
与薬[2]—与薬ミス
須田 君子
,
看護ケア再検討グループ
pp.852-853
発行日 1983年8月1日
Published Date 1983/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919907
- 有料閲覧
- 文献概要
今回は、患者の口に薬が正しく投与されるまで,いろいろな部門を経るシステムの中で,チェックしきれずに“与薬ミス”となった例をいくつか紹介し,与薬ケアのあり方を考え直すための足がかりとしたい.
日常の業務の中で与薬ミスは多いが,それが重大な看護事故として問題になるようなケースは少ないように思われる.注射や検査などの診療介助業務に比較して,看護婦自身の与薬への関心や注意度が低いのかとも思えるし,与薬ミスをそれほど大きな看護ミスとして意識していないのかもしれない.また,一般的に言って,内服薬は生命にかかわるような急激な変化をもたらす危険な薬が少ないこともあるが,一方あまりに身近に日常的に起こっているありふれたミス,たいしたことはないちょっとしたミスとして,看護ミスという感覚が麻痺しているともいえる.薬の配り間違いや服用日時,用法,用量などの間違いは,もっと日常的に多いはずだが,それに気づかないぐらい,薬の種類も量も多く,とてもチェックしきれない,かかわりきれない,だから少しくらい与薬ミスがあってもやむをえないとされているのだろうか,あるいは看護婦のかかわり方の少ない業務となってしまっているのだろうか.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.