特集 看護度を見直す
看護度調査と看護度設定の推移からこれからの看護を考える
松澤 孝子
1
1平塚市民病院
pp.885-890
発行日 1983年8月1日
Published Date 1983/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919913
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はじめに
よりよい看護を実践するために,私たち看護婦は,看護の観察,すなわち患者が現在どのような状況にあるのかを観察・判断できるということが大切である.その場合,その看護婦の知識・経験によって患者の把握の仕方は異なってくる.看護を統一的に標準化したり,基準に合わせて観察・判断をしてしまうことは危険であり,看護実践の場面においても,尺度を決めて,患者個人の持っている欲求を無視して,看護側からのわく組みに当てはめてしまうことも避けなければならない.
看護は,個別性を重視した援助こそ質のよい看護と言われてきている.しかし現実においては,質とともに量(看護婦の人数)が求められ,限りない人間の欲求を満たすためには,受け手の患者側,提供する看護婦側とは必ずしも考えは一致していない.
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