特集 看護度を見直す
新卒ナースの受け入れ態勢と看護度—スタッフの適正な配置を再考する
貝山 桂子
1
1聖マリアンナ医科大学付属病院
pp.876-883
発行日 1983年8月1日
Published Date 1983/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919912
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はじめに
新卒者の受け入れを目前にした3月は,1年のうちで最も忙しい時である.どのように迎え,指導し育てていくかを真剣に話し合う先輩たちを見て,卒後3-4年以上の者たちは姿勢を正してそれらの準備に共に参加し,一方初めて後輩を迎える1年目の者たちも,日常の身のこなし,患者の状態等を少しなりとも伝えるための協力態勢を保ちながら,より良い環境作りに心を遣う.現在,私が担当している病棟(9内科病棟のうち45床,48床の2病棟を担当)について考えてみると,2病棟に13名という新人を迎え,看護婦数40名となるための準備をする.その比率からみても,新人が約1/3を占めるわけで,うれしい悲鳴をこえて頭の痛いことも多い.
このような多数の新人配置については,当院の特殊性について述べておかなければならない.開院10年目を迎える当院は,当初の目標ベッド数850床にプラスし,救命救急センターが増設されるとともに病床数も増し,計1208床となったが,その全ベッドが今年の5月から稼働することになった.これまで毎年の4月には,このようにして新卒者が多数入職し,やっと慣れた1年後には,再び新病棟開設のためにその何%かの経験者がそこへ引き抜かれ,同時に新卒者を大勢迎え入れるという状態が繰り返されてきた.9年余をかけて,これでやっと完了したわけである.
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