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疲労度の研究—看護学生の疲労の推移に就て
山田 孝治
1
,
化学 部員
2
1東京鉄道病院化学検査室
2東京鉄道病院看護学院
pp.232-240
発行日 1955年10月15日
Published Date 1955/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909964
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はじめに
長い学生生活を終え,実社会に巣立つ若人が,其の職業如何を問わず,男女の別なく,社会人と接する第一歩に,如何に,精神的,肉体的に,疲労を受けるかは,一つの大きな問題と言えよう。現在迄に,種々疲労の研究は,先進諸学者によつて,深く探究せられているが,それが,余りにも特殊な人々,例えば,重労働者やスポーツ選手の如く,限定される傾向が強く,又一般人に就ての研究にしても,すでに社会人としての経験を積んだ人々を対照としての研究のみで,学窓より社会人となる過程を捉えての例を見ない。私達は,昭和29年4月,入学した。入学以来約1年の間の疲労を,ドナジオ佐藤反応と,クレアチニン排泄量に就て実験した。特に学窓の延長である春,夏を過ぎ,秋を迎え,待望の戴帽式も終り,受講義時を対照に,実習第一歩よりの疲労度を調べ,興味ある成績を得たので発表する。当院学校に入学する学生は地方出身者が多く,又其の家庭も,中流以上の生活水準のため,中学校,高等学校在学中を通じ,家族以外の一般人と接して働いた経験を有さない者で占められている。
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