癌医療最前線 国立がんセンターにおける癌医療・8
癌の放射線療法
pp.844-847
発行日 1983年8月1日
Published Date 1983/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919905
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放射織の種類
放射線療法とは,X線,γ線,電子線などの放射線を癌病巣に照射し,病巣の破壊,縮小を目的とするものであるが放射線療法の適応となる癌患者は年々増加の一途をたどっている.
放射線とは簡単に言えば,物質が安定した状態に戻ろうとするために放出されるエネルギーの形態である.それが波の場合は電磁波となり,粒の場合は粒子線となる.電磁波の中で波長の長いものに電波があり,短いものにX線やγ線がある.このX線やγ線は熱作用がなく生体に対して化学作用をもっているため,医療用に好んで用いられている.近年では,60Coから出るγ線やリニアックによる高エネルギーX線による癌病巣照射が癌の放射線療法の主体ともなっている.
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