特集 看護(みまも)る心の原風景を見つめて
雑感—仕事を通した人とのかかわりとは
伊藤 譜美子
1
1茅ケ崎徳洲会病院
pp.158-162
発行日 1983年2月1日
Published Date 1983/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919780
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はじめに
どうしても自分の力では及ばない相手から,我慢の限度を越す仕打ちを受けた時,なけなしのお金を出して元締めに頼むと,スゴ腕の必殺仕掛け人が仕事をする.非情に,しかもカッコ良く,ワザをもって人を殺すあの時代劇を知っていますか.シリーズが変わり,役者が変わり,ワザが変わっても,いつも仕掛け人は‘仕事’を待っている.だが‘元締め’のところに話が持ち込まれても,さっと仕掛けにはのらず,依頼主と仕事の相手のかかわりをリサーチする.そして,報酬を受け取り仕掛けに参加するかしないかを決める.最もテレビでは,毎回報酬を受けとり仕掛けるのではあるけれど.
このドラマの主人公は,必殺ワザを持った仕掛け人のチームであるのだが,仕掛け人はこのチームのメンバーではなく,お金を持って‘元締め’を訪れる依頼主であるのだから,私としてはこのドラマの題名は‘必殺仕掛けられ人’にすべきであると思っているけれど,ひところ流行語まで生み川した‘木枯し紋次郎’より,私はこの時代劇のほうが好きである.
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