ダラフ
地域ぐるみの健康管理活動を目指して—広域なへき地医療に取り組む旭川厚生病院健診センター
杉村 巌
1
,
三辻 郁江
1
,
本誌編集室
1旭川厚生病院健診センター
pp.616-621
発行日 1982年6月1日
Published Date 1982/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919568
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旭川厚生病院は,貧困のため医療を受けられない農民に医療の手を差し伸べようと,1941年に設立された.以来,巡回診療や巡回検診車の運行などをとおして,広域な地域をケアする農村医療・看護に取り組んでいる.広大な北海道北部には,開業医もおらず,住民の健康管理もままならない地域も多い.こうした地域の住民に対し同院では継続的に健康を管理していこうと,1969年より通信と運搬によって医療を確保しようと実践を開始した.旭川市の160km北方,車で4時間弱もの距離にある中川町・3地区(板谷,共和,安川)の重点無医地区がそのモデル実践の対象であった.
こうした活動から得た経験をもとに,さらに積極的な健康管理活動を展開しようと,1972年には同院に健診センターが設置された.ここでは,周辺住民の健診・検診や,寝たきり老人の訪問看護などを行う一方で,1975年からは上川地区管内の鷹栖町をモデルに‘健やかに老いる運動’を組織し,住民のミニドック健診を始めた.これが町ぐるみの健康管理活動へと発展し,近隣の比布(びつぷ),東川でも町を挙げての活動として実を結んでいった.集団検診もあわせて行っていくなかで,同センターは,これら地域住民の健康管理のデータ・バンクの役割を担うこととなった.
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