連載 保健婦はおもしろい
地域ぐるみの活動を目指して
中古 直美
1
1石川県輪島保健所
pp.1036
発行日 1992年11月10日
Published Date 1992/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900619
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今から10年余り前,久しぶりに京都を訪ねた私に,京都の某病院で訪問看護に取り組んでいる友が,「何故あなたは老人問題をやらないのか」と聞いた。「奥能登」と呼ばれる当地域は当時から出稼ぎ,過疎が問題となっており今日ほどでないにしろ高齢者が多かったからである。しかし,その頃はまだ母子保健,成人保健,結核予防そして精神保健などの業務に日々忙殺されており,「大切だとは思うが…」という程度の認識しか持てなかった。
その後,老人保健法が制定されてから保健所保健婦の業務の変化はめまぐるしいものがあった。例えば,在宅痴呆性老人サポート事業,特定疾患相談指導事業,小児慢性特定疾患相談事業(特にぜんそく児との関わり),地区のボランティア育成事業など新たな事業にも取り組んできた。また,当保健所管内は高齢者の占める割合が県内で最も高いため,「循環器疾患管理システムづくり」をめざし,市町村保健婦とともに基本健康診査で「要医療」と指導された人の受診状況調査を実施し,今後は具体的な方策をたてていく予定である。
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