喫煙の生理・衛生学・10
喫煙と女性[1]—特に若年層の肺癌と虚血性心疾患をめぐって
浅野 牧茂
1
1国立公衆衛生院生理衛生学部
pp.573-576
発行日 1982年5月1日
Published Date 1982/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919557
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最近の女性の喫煙状況
最も新しい日本専売公社の調査結果(1981年,全国喫煙者率調査)によると,成人男性および女性の喫煙者率はそれぞれ70.8%および15.3%であって,前年に比べて男性0.6%,女性0.9%の増加である.年代別にみると,男女とも20歳台が最高で,男性76.4%,女性17.4%であり,特に若い女性喫煙者率の増加が著しく,女子大生の場合にはほぼ倍増の21.3%となっており,5人に1人はたばこを吸っていることになる.
1978年の都内某女子大学の喫煙習慣を有する学生898人についての調査結果(NHK“科学ドキュメント”,同年7月17日放送)では,喫煙開始時期は高校2年および3年の時がそれぞれ約20%,大学1年の時が約40%を占めている.我が国における女性喫煙者は,男性の場合と同様に未成年者の間でも相当にまん延しているものと思われる.
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