喫煙の生理・衛生学・12
喫煙と女性[3]—周産期死亡との関係
浅野 牧茂
1
1国立公衆衛生院生理衛生学部
pp.813-816
発行日 1982年7月1日
Published Date 1982/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919609
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量・反応関係の明らかな喫煙習贋と周産期死亡率
妊娠中の母親の喫煙習慣と,胎児あるいは新生児の健康障害との関係を調べた報告は,我が国では極めて少ないが,1)欧米諸国からは数多く発表されている.2)新生児にみる発育障害と母体の喫煙習慣との関係を示す成績には,研究者による矛盾はほとんどないが,周産期死亡率または新生児死亡率については,必ずしも一致した成績が得られているとは言いきれない.
例えば,米国における白人女性約1万人,黒人女性約3000人の妊娠例についての調査結果によると,喫煙習慣を有する母親の場合には確かに低体重児出生率が高いにもかかわらず,新生児死亡率は,非喫煙者である母親の場合と差はないとされている.3)同様な成績は,フィンランドからの約1万2000人の妊娠例についての調査結果でも得られている.4)
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