2．脱水症・食思不振

Summary

▪高齢者は他の年齢層よりも細胞内水分量が減少しており，循環血液量の補充が困難であるために容易に脱水症に陥りやすい．

▪高齢者における脱水症は，既往歴・服薬状況・急性期疾患の有無により原因となる病態が大きく異なるため，検査所見のみならず病歴や身体所見も含めた鑑別により適切な治療を選択する必要がある．

▪老年症候群の一つである食思不振は，老化プロセス，生物学的加齢変化，要介護状態，環境要因，慢性疾患などの種々の要因が複雑に絡み合うことにより表出する症状であり，低栄養状態に陥る前に早期の介入が必須である．