学生の広場
障害受容の過程への看護婦のかかわり方についての一考察—17歳の男性頸髄損傷急性期の患者への援助を通して
斎藤 みどり
1
1東京厚生年金看護専門学校
pp.319-323
発行日 1982年3月1日
Published Date 1982/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919501
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はじめに
かつて脊髄損傷(以下脊損)は,炭抗における落盤事故をはじめ産業災害によるものが主であったが,近年に至っては社会経済の進歩発展に伴う労働事情の変化,交通の多様化,スピード化による交通災害の急増,スポーツ外傷の増加が主な原因となっている.これに伴って障害の発生年齢も10代から20代という若い世代になり,しかも若い男性に多いというのが特徴である.
私は今回,約2週間の間,17歳の頸損の急性期の患者を受け持ち,看護に当たった,そのかかわりの中で私は,今まで何不自由なく生活していた17歳の少年が,ある日突然交通事故に遭い,気がついた時は病院のベッドの上で自分では手も足も動かせない状態になっていたという患者の心理,そしてそのような状態から患者がどのように障害を受容していくのか,また障害受容の過程において看護婦はどう援助すべきか,について深く考えさせられた.
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