発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011338922
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
頸髄損傷患者104例を対象に診療録を後ろ向きに調査した。受傷時年齢は50~60歳代に多発する一峰性パターンを示し、受傷原因は日常的な転倒・転落といった軽微な外傷が半数を占めていた。麻痺の程度はFrankel分類CとDが全体の90%を占め、Frankel分類Dの患者群が有意に若かった。手術例は30例で、骨傷11例にはプレートを用いた前方固定術を行い、非骨傷19例には前方固定術3例、椎弓形成術15例、前方固定術+椎弓形成術1例を行った。呼吸器合併症や尿路感染などの入院後併発症は、Frankel分類AおよびBで高率に発症した。入院期間は麻痺が重症なほど長期間で、Frankel分類Dの80%は自宅へ退院し、Frankel分類AおよびBの80%以上は長期療養型施設もしくは頸髄損傷リハビリテーション施設へ転院していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011