ベッドサイドの看護
癌末期患者へのアプローチ—患者自身が闘病の意味を見つけだすように働きかけた事例から
津村 真紀子
1
,
石井 ノリ子
1
,
小島 操子
2
1千葉県がんセンター
2千葉大学看護学部
pp.308-312
発行日 1982年3月1日
Published Date 1982/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919499
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はじめに
癌末期患者の看護については,これまでさまざまな角度から研究され,看護のあり方が問われてきた.とくに,死に直面している患者に対しては,患者自身が苦しい不安にみちた闘病のなかにも,生きる意味や闘病の支えを見いだせるように,闘病のはじめから身体的なケアを通してその人を把握し,その人に合った援助をすることが大切であり,そのためには看護婦が闘病(=生の意味)についてしっかりとした信念(生と死についての考え方)を持って看護しなければ,患者の死に深くかかわることができないと言われている.
私たちも,癌末期である程度の病識をもち,抑うつ状態の淵にいた患者の闘病と死を看取ったが,あらためてそうした闘病の意味と看護婦のかかわりについて考えさせられたので,その事例を通してアプローチのあり方,とくに患者自身が闘病の意味を見つけだすような働きかけについて報告したい.
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