特集 老人のターミナルケア・2
癌末期の老人患者への終末期看護
小松 正美
1
1社会福祉法人京都桂病院老年科
pp.822-825
発行日 1980年8月1日
Published Date 1980/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919018
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はじめに
わが国では,世界に類をみない老年層の急増により,近年老年問題が注目されてきたが,社会面・臨床のいずれの部門においても欧米に比べ立ち遅れている.このような中で,私たちの病棟は,欧米で進んだ老人医療を実践してきた並河医師の指導のもとに老年科チームを編成し,1年間の試行のあと,1978年4月から老年科病棟として活動を始めた.
患者の平均年齢75歳前後のこの病棟では,社会から取り残され,‘年のせい’という言葉で片付けられていた老年者に対し,治療だけでなく,家庭での生活まで考え,どうしたら患者が安楽か,家族が受け入れられるかについて,MSWや家族も含めて話し合い,最良の方法を指導,アドバイスしている.これにより,老人の長期入院をさけ,早期に社会の一員として復帰させることができている.
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