特集 遷延性意識障害患者の家庭復帰
遷延性意識障害患者の家庭復帰への取り組み
小林 真理子
1
,
大湯 順子
1
,
江副 信子
2
1北海道大学医学部付属病院脳外科病棟
2北海道大学医学部付属病院
pp.27-31
発行日 1982年1月1日
Published Date 1982/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919440
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はじめに
医学の発達と看護の質的向上に伴い遷延性意識障害状況の人々は増大し,多くの課題が提起されているにもかかわらず,今なお遷延性意識障害患者に対しての人々の理解は低い.さらに,福祉制度や核家族の問題だけでなく,患者管理に困難なことが多いなどの種々の問題があり,患者は医療施設での生活を余儀なくされているのが現状ではないだろうか.
しかし,私たちは遷延性意識障害の患者でも病院や福祉施設での生活に終わることなく,家族とともに家庭で生活していくことが人間として自然であり,幸せではないだろうかとも考え,看護活動を行ってきた.その結果,患者が家庭で生活することが可能であること,家族が満足していることも確認できた.今回,看護目標を家庭復帰と設定した事例を通して,取り組みの過程をまとめてみた.
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