特集 クリティカル・ケア
クリティカル・ケアとは何か—そのあり方と実践的指針(原則)
畑山 善行
1
1信州大学医学部付属病院第1外科
pp.1354-1361
発行日 1981年12月1日
Published Date 1981/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919413
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はじめに
近年医療内容が急速に高度化すると同時に,医療技術の進歩に伴う病態のモニタリング・治療・生命維持のために複雑で高価な機器が広く普及しつつある.かつては積極的な治療方法の見当たらなかったような急速に悪化する重症患者に対しても,これらの知識と技術を重点的に投入して治療を行えば,病勢をとどめ回復させ得ることが知られてきた.これらの重症患者に対して利用できる限りのスタッフ,知識,技術,機器をすべて集中して治療しようとするIntensive Care(集中治療)は,本邦において既に10数年の歴史を有し,実践の場としての集中治療室(ICU)はすでに確立されたものである.疾患を中心に考えてCoronary Care Unit(重症心疾患集中治療部),Respiratory Care Unit(重症呼吸障害者集中治療部),Burn Unit(熱傷治療部),Renal(Dialysis)Unit(人工透析室),Neurosurgical Unit(脳外科治療部),Neonatology Unit(新生児治療部)等の言葉や,これらの医療を称したIntensive Care Medicine,Acute Medicine,Emergency Medicineという言葉も使われている.
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