講座
日本看護協会は何のために存在するか—職能団体のあり方の一事例として
石垣 純二
pp.13-18
発行日 1959年12月15日
Published Date 1959/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910974
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
〈はじめに私の立場を〉
私は街の一衛生教育家であつてナースではない。こういうテーマでものを言うことを誠にお節介きわまる!とお感じの方があると困るので,冒頭に私の立場を明らかにさせていただく。このテーマは雑誌社から与えられたものだが,正しく私の書きたいとムズムズしていたものだつたから,二つ返事でお引き受けした。ということは自然的な,積極的な執筆と大差は無いということにもなろう。その理由,動機というか,私のペンを鼓舞するものが三つあるのだ。
第1に私はナースに同志的感情を抱いている。ナースの集会に出て,彼女らの苦悩の語られるのを聞いても,ナースの手記を審査の目的で読み,彼女らの仕事の壁がいかに厚いかが述べられるくだりに遭つても,決して他人事とは感じられないのである。ひつきようナーシングの真髄は,広義の衛生教育なんだとつねに囁くものがある。同甘共苦の同志と感じるがゆえに,私はナースにもナースの団体にも常に深い関心を抱かずにいられない。
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.