特集 若者の精神保健②
自傷行為
松本 俊彦
1,2
1独立行政法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部診断治療開発研究室
2独立行政法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所自殺予防総合対策センター
pp.430-433
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102753
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はじめに
リストカットに代表される自傷行為は,今や学校保健における主要な課題の1つとなっている.今日,刃物で故意に自らの体を傷つけるタイプの自傷行為に限っても,中学生・高校生の約1割(男子7.5%,女子12.1%)に自傷経験がある1).そして,中学校に勤務する養護教諭の96.3%,高校に勤務する養護教諭の99.0%が,自傷する生徒に対応した経験があり,そうした経験を持つ養護教諭の大半が,「どう対応してよいか分からない」と感じている1).
本稿では,若者における自傷行為が持つ意味や自殺との関係,そして,予防のあり方について私見を述べさせていただきたい.
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