ベッドサイドの看護
家庭内暴力を繰り返す思春期女性の看護—日常生活に適応するための援助を中心に
塩入 美智子
1
,
山崎 成美
1
,
矢口 保子
1
,
小平 恵子
1
,
戸沢 誠子
1
1長野赤十字病院精神神経科病棟
pp.1266-1270
発行日 1981年11月1日
Published Date 1981/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919393
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はじめに
本事例は1977年11月22日から1978年1月13日まで,いわゆる‘家庭内暴力症候群’として当科に入院したが,気分も変わりやすく,暴力行為,自傷行為等が見られ,ピリピリとした不安緊張の中で,看護者とコンタクトもつかないまま希望退院をして,半年ほどで再び暴力が激しくなり再入院となった18歳の女性である.
18歳という年齢でありながら,病棟では終日布団にスッポリとくるまって臥床しており,他人との交流を求めようとしないこと,また両親との人間関係においても,親は子を,子は親を拒否する冷たい関係にあることに疑問を感じた.私たちはたび重なる家庭内暴力を防ぎ,両親との人間関係を改善して日常生活に適応できるように援助する必要性を感じ,この研究に取り組んだ.
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