喫煙の生理・衛生学・3
喫煙と呼吸器疾患—特に慢性閉塞性肺疾患との関係
浅野 牧茂
1
1国立公衆衛生院生理衛生学部
pp.1173-1176
発行日 1981年10月1日
Published Date 1981/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919373
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喫煙習慣と気道感染症
たばこ煙が気道粘膜に有害作用を及ぼし,細菌に対する抵抗力を減弱させて呼吸器に急性感染症を引き起こす素地をつくることは,前号で示した表1,2のように,多種類の刺激性物質が気相および粒子相中に存在することからも推察できる.
1980年末に厚生省の発表した“昭和54年度国民健康調査結果”によると,呼吸器系疾患有病率(人口1000人対)は17.9であり,そのうち急性上気道感染症は13.5を占めている.1)図1に示されているように,最近数年間の呼吸器系疾患有病率は低下傾向をたどっているが,依然第2位にとどまっており,0-24歳群では第1位にあると発表されている.
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