特集2 ウイルス肝炎をどう防ぐか
人工透析室におけるウイルス肝炎予防の看護管理
吉岡 典
1
1国立王子病院腎センター
pp.50-55
発行日 1981年1月1日
Published Date 1981/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919138
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はじめに
血液透析療法では,対象とされる疾患の大部分が慢性腎不全であり,患者は長年にわたり反復透析を行う必要がある.また長時間の体外循環時には,実施者はどうしても患者の血液に直接触れる機会が多く,患者の周囲や使用器具が血液で汚染されることも避けられない.従って患者の中に,血液を媒体とする感染源を有する者が1人でもいれば,透析室における感染の可能性は極めて大であると考えられる.
古くから血清肝炎と称されていたB型肝炎の実体が解明されるにつれて,透析室でのB型肝炎の感染防止,すなわちHBs抗原対策が種々検討されるようになったのも,このような透析業務を背景にしているからにほかならない.その結果表のごとく,透析室における肝炎発生は年々減少の傾向がみられている.当院透析室においても,B型肝炎発生防止のため,年々看護管理面の検討を重ねてきたが,その実際について述べてみたい.
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