特集 病児と遊び
心身障害児の訓練と遊び
東 則子
1
1神奈川県立こども医療センター(重症心身障害児施設)
pp.1280-1283
発行日 1980年12月1日
Published Date 1980/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919111
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はじめに
遊びが子どもにとって重要であることはよく知られていますが,障害児にとってもその本質は変わりません.障害児は遊びを通して,その残された機能のなかで自己の可能性を確かめ,高めようとします.遊びは,日常生活動作(ADL)自立の訓練にも深いかかわりを持ち,訓練(学習)とは分化できないものと言えます.障害によって発達・成長が著しく阻害されているように思われがちですが,決してそうではありません.周囲からの刺激によって,その子供なりに発達していると言えます.
障害児にとって遊びは日常生活そのものであり,それは‘生きることにつながるのではないでしょうか.重度の障害児だからといって,安静を強いてベッドに寝かせているだけではなんの発達もみられません.むしろ,退行するのみでしょう.いかなる状態であっても,子どもから遊びを奪ってはならないと言えます.
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