特集 病児と遊び
子どもの発達と遊び—子どもにとって遊びとは何か
上田 礼子
1
,
花岡 真由紀
1
1東京大学医学部保健学科(母子保健)
pp.1251-1255
発行日 1980年12月1日
Published Date 1980/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919107
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はじめに
‘遊び’という言葉は,小鳥や小犬が飛んだり跳びはねたりする活動から,人間の大人が行う規則の厳しい儀式的なゲームまで,いろいろな種類の活動に使用される.特に,人間の子ども時代の遊びは,生活そのものと切り離して考えられないので,古くから大人たちの関心を引くものであった.しかし,これを学問の分野のこととして取り上げ,組織的な観察を通して子どもの発達との関係,その治療的・教育的意義などを広く議論するようになったのは,20世紀に入ってからのことである.
最近では社会の急激な都市化の進行に伴って,大人の余暇の過ごし方とともに,子ども時代の遊びとその意義が再検討されつつある風潮があるようである.
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