ベッドサイドの看護
痛みを訴える患者の看護—鎮痛剤使用からの離脱を試みて
武田 志乃枝
1
,
蜂谷 千枝
1
,
網野 富美子
1
,
石塚 登美子
1
1国立札幌病院整形外科病棟
pp.270-273
発行日 1980年3月1日
Published Date 1980/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918904
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はじめに
骨腫瘍による痛みは,脊椎では直接に脊髄神経を圧迫刺激し,強い痛みを示し,時には麻痺を呈する.他の部位でも骨破壊による痛みは骨以外の部位の腫瘍に比べて痛みが強い.その痛みが患者の脳裏に根強く焼きついて,その結果,不安・恐怖へと拡大される.時には,レントゲン写真,その他の客観的資料では症状が好転しているにもかかわらず,痛みは緩和せず,鎮痛剤に頼りきり,それが習慣性となるケースが非常に多い。看護側でも,このような患者の疼痛に対して,安易に鎮痛剤を与薬し,それで患者の苦しみを解消し得たと思い込んでいる場合が多い.
今回は,治療の経過中に闘病の目標と自信を失い,鎮痛剤に頼りきるようになった患者を,どうしたら鎮痛剤から離脱できるようになるか,この点について,医師・看護婦間で話し合い,計画を立てて患者指導にあたり,好結果を得たので,その概略を報告する.
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