らいを超えて・9
望ケ丘の子供たち
前浜 政子
1
1長島愛生園
pp.971-975
発行日 1979年9月1日
Published Date 1979/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918773
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瀬戸内海を眼下にはさんで小豆島が間近に眺められる望ケ丘には,らいを病む少年少女たちが暮らしていた山陽高女寮,香港寮,報恩寮などが,山裾から丘の中腹まで建ち並んでいる.この寮を少年少女舎と呼んでいた.
18歳未満の少年少女が百数十名以上もいたという望ケ丘に,今は子供の姿はない.新発生のらい児がいなくなったからである(年少病者を,患児,少年,少女らい,ともいう).かつての少年舎は現在一般入園者居住宅に変わって,園内は完全に子供の存在しない患者社会になった.
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