書評
—小酒井 望・他 編—負荷試験
山中 学
1
1東大
pp.75
発行日 1973年1月1日
Published Date 1973/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203261
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ある臓器の機能を知ろうとする場合に,いくつかの検査を組み合わせたり,あるいはある種の負荷を与えて,それに対する反応性を観察したりする。とくに安静時には異常を認めなくても,負荷することにより,異常を見出しうることも少なくない。この目的で行なわれる検査を負荷試験といつているが,これはまた臓器の予備能力を知る検査の1つともいえよう。しかしこれら負荷試験は,その目的,原理および反応機序を正しく理解しなければ,正しい結果は得られず,また得られた成績を正確に判定することはできない。さらに負荷試験で忘れてはならないことは,負荷そのものによる副作用の出現であり,また適応と禁忌の判断を誤れば,検査のために症状の悪化を招く場合すらあるということである。
本書は臨床検査のなかから特に負荷試験のみをとりあげ,17名のそれぞれの分野における専門家により,臓器別にまとめ,原理,方法,適応,副作用などを解説したものである。
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