追悼
小酒井 望先生を偲ぶ
小栗 豊子
1
1順天堂大学病院中央臨床検査室
pp.381
発行日 1989年4月1日
Published Date 1989/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204923
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1月15日夜,小酒井望先生が他界された.
先生は臨床病理学を定義され樹立された方として有名であるが,私たち臨床検査技師の生みの親でもあられる.国立東京第一病院(現・国立病院医療センター)では臨床検査技師の先がけとなった男性生徒を厳しく鍛えられ,また東京文化医学技術学校の開校に当たっては,先生自ら奔走された.さらに10年後,大東文化医学技術学校を開校された.先生は現場ですぐに仕事のできる技師の養成をモットーとされていた.
先生は臨床病理学の一分野である臨床細菌学で多くの業績を残された.その一つは,当時の検査の手引き書,厚生省編纂の『衛生検査指針』とは全く異なった観点から,臨床細菌検査の体系化を始められたことである.すなわち,病原体別検査法は検査材料別検査法に変更されていった,先生の著書『臨床検査技術講座・細菌学』(金原出版)の普及とともに.
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