マイ・オピニオン
行きずりの婦人の一言に思う
岡部 はま子
1
1長野赤十字看護専門学校
pp.353
発行日 1979年4月1日
Published Date 1979/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918645
- 有料閲覧
- 文献概要
先日,ソ連・ヨーロッパを旅行中のこと,スイスからドイツへ渡るため国際列車に乗った.アメリカ人にしては小柄なご婦人が私の前に席をとり,私の胸のレッドクロスを見て‘あなたは赤十字で何をしていますか’と問われた.‘私は赤十字のナースです’と答えると,婦人は‘あ,私は6か月ほど前アメリカで胆石の手術をしましたが,その時たくさんの石は7人の医師がとってくれました.しかし私の病気をなおしてくれたのは看護婦さんでしたよ.ナースの仕事つて病人にとって大切な大事な仕事です’と言われ,‘あなたも日本へ帰ったら,患者さんのためにしっかりやってください’と励まされた.
その婦人とは3つ目の駅で別れてしまい,思うように話ができなかつた.しかし別れた後私の頭の中に浮かんだのは,アメリカにはプロフェッショナルとしての看護が歴然としていることが,一旅人より示されたことだった.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.