特集 プロテイノパチーの神経病理学
―鼎談―カタチと蛋白―後編
中野 今治
1
,
髙尾 昌樹
2
,
神田 隆
3
1東京都立神経病院
2東京都健康長寿医療センター研究所神経病理学研究(高齢者ブレインバンク)
3山口大学大学院医学系研究科神経内科学
pp.1491-1495
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101668
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
TDP-43のインパクト
神田 本特集でもTDP-43には1項を割いています。TDP-43の発見というのは,神経病理学に非常に大きなインパクトを与えたと思うんですけれども,髙尾先生,いかがですか。
髙尾 筋萎縮性側索硬化症(ALS)に出現する封入体がTDP-43から構成されているということだけではなく,ALSがほかの疾患をかなり包含するという考え方につながりましたよね。前頭側頭葉変性症(FTLD)も包含して,非常に多くの病気の,おそらくは一番の原因になっているだろうということもわかった。脊髄小脳失調症(SCA)の一部でも出てくるし,私が最近経験したSCA31でも出てくるし,加齢に伴う海馬崩壊でも認めます。そういう意味ではタウに続くぐらいのインパクトのあるプロテインという印象があります。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.