特集 プロテイノパチーの神経病理学
―鼎談―カタチと蛋白―前編
中野 今治
1
,
髙尾 昌樹
2
,
神田 隆
3
1東京都立神経病院
2東京都健康長寿医療センター研究所神経病理学研究(高齢者ブレインバンク)
3山口大学大学院医学系研究科神経内科学
pp.1425-1431
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101663
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はじめに
神田 本号の特集は,「プロテイノパチーの神経病理学」というタイトルです。長い間,原因不明の神経変性疾患と呼ばれてきた疾患群の多くが,ここ20年余りの間に特定の蛋白の代謝異常症であるということが,明らかになってきました。しかも,その蛋白の種類は決して多くはなく,数多くの神経変性疾患が十に満たない数の原因蛋白に収斂してしまう可能性があります。
このプロテイノパチーという言葉はいろいろなところで聞く機会が多くなり,悪く言えば安易に使われるようになってきたのではないかと思いますが,私が疑問に思っているのは,シンプルに,神経変性疾患をプロテイノパチーと呼んであたかも結論が出たようにしてしまっていいのかということです。疾患の多様性だとか,治療へのヒントに関して,形態学にはまだまだやるべきことがあるのではないかと思い,この特集と鼎談を企画いたしました。これからの神経病理学に何が求められるかについてもご意見を伺うことができたらと思います。
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