切り取りカード 看護ミニ事典
‘体外受精児’(試験管ベビー)/‘性格テスト1’
飯塚 理八
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科
pp.113-114
発行日 1979年1月1日
Published Date 1979/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918596
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語義
Test tube babyを訳して‘試験管ベビー’というのであろうが,とくに学界で定義を定めているわけでなく,通俗語ともいうべきtest tube babyが広く使われてしまっている.元来,受精は卵管膨大部で行われる生体内での現象であるが,何らかの原因で卵管に障害があるときは,従来より卵管の修復,最後的には手術療法を行ってきたが,必ずしも良成績をあげるに至っていない.
これは卵管の解剖学的な構築上の宿命とも言えるものであって,内腔が鉛筆の芯くらいの細さでは,軽い侵襲にも障害を来しやすく,後遺症として内腔狭窄や閉鎖を起こす.卵管に障害を来した婦人でも,排卵機構や着床の場としての子宮が健全であるなら,妊娠をあきらめるには断腸の思いであることは当然であった.ここに受精の場を人為的に設定する試験管内受精は,不妊治療の一方策として登場してきた.
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